遺言公正証書


 遺言は、自分が亡くなったあと、初めて効力が発揮できる、遺族・愛する人
たちに残すメッセージです。

 もしも自分が亡くなった後、大切な人たちが財産・権利等で争ったりしたら
・・・。
 遺言は、そんな争いを防ぐための予防薬です。



  遺言の種類

  特に遺言を残した方が良い場合

  公正証書遺言の作り方

  公正証書作成までの流れ

  ご相談は最寄の公証役場へ

  遺言の検索について


遺言の種類

遺言には大きく分けて2つの種類があります。

@ 自筆証書遺言
   皆さんが「遺言」と聞いて思い浮かべるのはこれではないでしょうか。
  海外の映画・ミステリー、ドラマ等に登場するのも大抵この自筆証書遺言
  です。
   この自筆証書遺言は、遺言を書く本人が自書する必要があります(パソ
  コン・代書は不可)。自分で書くものですから、費用はかかりませんし、
  いつでも書き直すことができるでしょう。
   ただし、素人が書くものですから、法律的に不備があったり、無効にな
  ったりする場合もあります。
   また、遺言書は通常一通ですから、紛失・隠匿・破棄・偽造等の可能性
  がないともいえません。
   そして、この遺言書は、本人の死亡後、相続人全員に立ち会う機会を与
  えて、家庭裁判所で遺言を開封する「検認」という手続きをとる必要があ
  ります。



A 公正証書遺言
   私共が扱っているのが、この公正証書遺言です。
  この公正証書遺言は、遺言者が公証人にどのような遺言を残したいかを話
  し、公証人がそれを文章にまとめ、公文書として遺言を残すものです。
   遺言を公正証書にしておくメリットは、遺言した本人が死亡したとき、
  他の相続人の同意を要しないで、その公正証書で登記・銀行預金の解約・
  払戻し等の手続ができること、自筆証書遺言のように「検認」手続をとる
  必要がないこと、遺言の原本は、半永久的に無料で公証役場が保管します
  ので、紛失・隠匿・破棄・偽造などの心配がないことなどです。
   デメリットとしては、手数料の支払いが必要な点と、自分で戸籍謄本・
  登記簿謄本等の書類を集めなければならないので少々面倒であるというこ
  とでしょうか。
   最近は、弁護士や司法書士、税理士、又は銀行等にそういった手続をお
  願いする人も増えています。




遺言を残した方がよい場合

では、遺言を残しておくとよいのは、どんな場合でしょうか。
いろいろな場合が考えられますが、特に次のような場合には、遺言を残してお
くとよいでしょう。
@ 夫婦の間に子供がいない場合
   この場合、遺言がないと、兄弟姉妹や甥姪等に相続権が発生してしまい
  ます。妻に全財産を相続させるには、遺言を残す必要があります。兄弟姉
  妹や甥姪等には遺留分請求権はありませんので、遺言があれば、妻に全財
  産を残すことができます。

A 息子の妻・娘の夫に財産を贈りたい場合
   息子の妻・娘の夫には相続権がありません。不幸な話ですが、子供が親
  より先に亡くなってしまい、残された息子の妻に面倒を看てもらうという
  こともよくあることです。
  そんなとき、遺言で息子の妻のためにいくらかの遺産を残してあげたい、
  と思うのは当たり前の話ではないでしょうか。

B 夫婦の一方又は双方が再婚の場合
   この場合には、関係者が感情的になってしまうおそれがあります。です
  から、残された子供達が醜い争いに巻き込まれないようにするためにも、
  早い時期に、誰に、どのような割合で遺産を分けるか、決めておくべきで
  しょう。

C 内縁関係の場合
   夫婦が内縁関係だと、お互いに相続権がありません。ですから、お互い
  がお互いのために財産を残したいときは、遺言をする必要があります。

D 相続人が全くいない場合
   この場合、最終的には遺産は国のものになりますから、お世話になった
  人や、団体等に寄付したい場合は、遺言を残しておくことが必要です。


公正証書遺言の作り方

 決して面倒なことではありません。遺言をする本人が公証役場へ行って、公
証人に対し自分が考えている遺言の内容を直接話していただければ、公証人が
その内容を書面(公正証書)にします。
 遺言者本人が病気などで公証役場へ出て行けないときには、公証人が自宅や
病院に出張することもできます。

公正証書遺言の作成をする場合は、あらかじめ
@ 本人の印鑑登録証明書(発行後3ヶ月以内のもの)

A 本人と相続人の名前が載っている戸籍謄本

B 財産をもらう人が相続人以外の場合は、その住民票

C 遺言の内容に土地・建物がある場合は、その登記簿謄本(又は登記済権利
  証)、納税通知書(又は評価証明書)

D 不動産以外の財産は、それらを記載したメモ等
  (口頭で伝えていただいても構いません)

などを用意していただく必要があります。
詳しいことは、あらかじめ公証役場に電話等でご相談ください。



公正証書作成までの流れ

 @ ご相談
    作成したい内容を、公証人にご相談いただきます。
    この際に、必要書類等をお持ちいただければ、ベストです。

 A 不足書類の追加
    ご相談の際、足りなかった書類を持参・FAX・郵送等で送っていただきます。

 B 原案作成
    原案を作成し、ご覧いただきます。内容・役場の混み具合等にもよりますが、
    2・3日から1週間ほどかかります。
    原案は郵送・FAX・メール等ご希望の方法でお送りいたします。

 C 公証役場において署名・捺印
    遺言者本人にお越しいただいて、署名・捺印していただき、完成です。



ご相談は最寄の公証役場へ

 公証人は、法律の専門家で、国から任命されたものであり、守秘義務があり
ますから、遺言や相談の内容はもちろんのこと、誰が何の相談に来たか、誰が
遺言に来たか等一切他に漏らすようなことはありません。
 公正証書に関する相談は無料です。お気軽に公証役場へいらしてください。



遺言の検索・謄本請求について



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